世界で最初に胃カメラを作った東京大学付属病院第 1 内科第 8 研究室、世界的な権威が集まる国立がんセンターなどで胃早期癌の研究をしてきた霞氏が、日本の優れた研究成果を世界に広げようと世界に目をむけ始めたのは、 1973 年の時だった。
1974 年オーストラリアへの交換教授に選ばれシドニー大学で内視鏡を指導。そこでオーストラリア初の胃早期癌を発見するも、手術を担当した外科医のミス(小さな癌なのに胃を全摘出してしまった)で患者を死なせてしまうという悲運が霞氏を襲う。この苦い経験から霞氏は、胃早期癌教育の必要性を以前にも増して真剣に考えるようになり始めた。 1976 年には医療の最先端国アメリカ、ジョージタウン大学に講師として着任。そこでも、再び困難が霞氏を待ちうけていた。
渡米当初は日米の医療の違いから、思うように患者が集まらず苦労を強いられた。また、日本では年間に 40 ? 50 の胃早期癌の症例をこなしてきたが、アメリカでは胃カメラが充分に普及されてなく、日本のように大量の症例を集めることが出来ない。フィラデルフィアの研究所では日本人患者が殆どのため、アメリカ人に胃早期癌を納得させるためにアメリカ人の胃早期癌の症例が必要な霞氏の希望は叶わず、再び方向転換を余儀なくされてしまう。それでも、様々な挫折や困難を乗り越え、リバーサイド健診センターを有志と設立。日本の良い医療システム“人間ドック”をアメリカに広め、自分の専門知識を生かして病気の早期発見治療に努力している。今でも胃早期癌の知識の普及を諦めたわけではなく、近い将来分かり易い本の出版を考えている。
胃癌は世界で第 2 に多い癌であるがアメリカでは少なく、大腸がんが多い。当然医師達の目は大腸がんに注目する。毎年アメリカで約 1 万 5 千人が胃癌で亡くなっているにも関わらず、何の対策も立てられていない。そのためアメリカで胃早期癌の知識を普及させる難しさと同時に普及の意義を十分に承知している。
世界に目をむけた時から抱いている「早期癌発見のための知識と技術の普及」、「医学交流による世界医学のレベルアップ」に日夜努力している霞氏である。
(2005/12) |