玉垣恭子  (不動産)
専門:不動産
年齢:n/a
出身地:神戸市

神戸市出身。梅花女子大学卒業後、語学留学生として渡米、その後ベルリッツで日本語教師として働く。1994年結婚現在のリダックに転職、短期滞在アパート部門担当となる。96年長男出産。98年から2000年まで家族で日本に移住し、2002年離婚。現在は、短期滞在アパート部門マネジャーとして活躍する一方、シングルマザーとして日々奮闘している。


人生は綱渡り。私たちは夢を追いかける途中、様々な出来事によって右へ左へと振り回される。そしてその振れ幅は一般に女性のほうが大きい。結婚、出産、子育て。家庭人として大きな役割を担うだけに、一個人として夢を追い続けることは難しい。仕事か家庭か、女性なら一度はそんな選択に悩むことだろう。だがきっと答えは二者択一だけじゃない。

 総合不動産販売サービスのリダックで短期アパート部門のマネジャーを務める玉垣恭子さん。アメリカ人男性との結婚を機に同社へ転職してからの8年間で、出産、日本での生活、再渡米、離婚を経験した。仕事は2度中断し、計3年のブランクがある。それでも今、会社ではマネジャーという責任ある立場に就き、家庭では息子のためにお弁当を作る毎日を送っている。「何の資格も技術もない私でもなんとかやっていけるもの」と微笑む玉垣さん。自分を振り回す様々な出来事をしなやかにくぐり抜けると、そこには必ず新しい道が開けているはずだ。

10年の会社生活で2度の休職

 中学生の頃から外国への憧れが強く、いつか外国で暮らしたいと夢を描いていた。大学生のときに経験したホームステイでその思いをますます強くし、卒業後に渡米。初めて親元を離れての寮生活は「肌に合った」。アメリカの大学を卒業してからもニューヨークに残って日本語教師として働く。だが当時のアメリカは経済環境も厳しく、日本語を学ぶ学生はどんどん減っていった。授業数も減り、仕事もパートのような働き方に。「女性も男性と同じようにフルタイムで責任をもって働いたほうがいい」という夫の意見もあって、リダックに転職する。
  仕事は面白かったが、2年後に長男を出産。子育てのため家に入った。週に1回出社して自宅でも仕事をするなど両立を試みたが、それまでのように仕事に集中できるわけではない。1年後に復帰するが、今度は夫が日本で仕事をすることに。やむなく一緒に帰国し、日本で2年生活した。このときは完全に仕事から離れた。2000年にアメリカに戻り、再びリダックで働き始める。

 子どもも少しずつ大きくなったところで新たな困難が立ちはだかる。昨年の離婚だ。息子と一緒に暮らしつづけることができたが、親としての責任は一層重くなった。

夕方5時を境にマネージャーから母親へ


  今は毎朝起きるとまず、息子のお弁当を作る。子どもは迎えに来た父親と一緒に学校へ行き、自分は会社へ。学校が終わるとシッターの迎えで子どもは家に帰り、自分は5時の終業とともに家へ向かう。9時の出社から5時の終業まで猛烈に働き、残業はしない。「メリハリをつけないと両立は難しい」と玉垣さんは言う。育児による時間的な制約の中でマネジャーという責任ある立場に就くことができたのは、おそらくこのメリハリなのだろう。
  短期滞在アパートとは、日本からの長期出張者や、新しく赴任した駐在員が自宅を決めるまでの間滞在する物件のことで、玉垣さんはその予約から入居までの手続きやサービスを請け負う部門を指揮管理している。「日本と違ってアメリカはスムーズに手続きが進まないことが多く、それらをサポートしながらアメリカの商習慣を理解してもらう」のが難しいところだ。このほどミッドタウンにアパートをオープン、同社の保有する短期滞在用アパートは4軒になった。 
  休職をはさみつつキャリアを重ねていけたのは、会社側の配慮によるところが大きい。いま子育てと仕事を両立できるのは、前夫の協力があってのことだろう。環境に恵まれているといってしまえばそれまでだ。しかし、自分を取り巻く人々をいかに味方につけるかこそ、その人の実力といえないだろうか。
  現在6歳になる子どもとの会話は、玉垣さんが日本語で話し、子どもが英語で返す形だ。玉垣さんもシッターも日本語で話し掛けるが、本人は英語のほうが話しやすいらしい。成長するにつれ、言葉の壁は大きくなっていくだろう。アイデンティティに悩む日もくるかもしれない。別れた夫は再婚し、いつまで子育てに協力してもらえるかわからない。仕事では短期滞在アパートの需要が増えており、責任は重くなっていく。先を憂えば尽きないが「今からあれこれ心配しても仕方ない」。さらりとかわす彼女を見て、この人ならきっと、乗り越えていくのだろうと感じた。


 

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