キヨコ・ホルバート  ( 写真家/ウエディング・プロデューサー )
専門: 写真家/ウエディング・プロデューサー ・キロスタジオ代表
年齢:n/a
出身地: 大阪市東住吉区出身

阪女子大生活理学部で物理学を専攻。1977年、卒業と同時に日本理工情報専門学校で教鞭をとる。83年からニューヨーク州立ファッション工科大でファッション写真、商業写真を学ぶ。卒業後、フリーランス活動の後、87年にキロスタジオをNYに設立。

30歳は「本当の大人」への入り口。 自分の人生に満足していますか。 心の中に“?”はありませんか。

 いつの時代も、年齢を理由に夢を諦める人は多い。「もう若くないから」。だが年齢は、夢と向き合うきっかけにも成り得る。「今やらなければ後悔するから」。自分の年齢をどうとらえるかで、人生はいかようにも変わる。30歳で写真家を志し、ニューヨークで夢を実現したキヨコさんは言う。「好きなことやってわがまま言って、それでお金もらっているんだからこんなに幸せなことはない」と。この世の中で、自分を幸せだと言い切れる人が一体、どれだけいるのだろうか。

今抜け出さなかったら、このまま 流れに乗って年月は過ぎていく

今から20年程前、大人への入り口を前にしてキヨコさんは自分に問いかけた。「自分は本当にやりたいことをやってきたんだろうか……?」。答えは「NO」。大学で物理学を専攻し、卒業後は理系の専門学校で教鞭をとっていた。嫌いな仕事ではない。でも自分は幼い頃から絵を学び、学生時代は美術クラブに所属し、卒業してからは写真教室に通うなど、アートに対して強い興味を抱いていた。芸術で食べてはいけないと思うものの、想いは日増しに強くなっていく。とくに写真は機械を操る芸術。自分の学んできた物理学とも無関係ではない。
「このまま自分の思いを見過ごせば、流れに乗ってそのまま時は過ぎていく。いつの間にか50歳になり、定年を迎えたときにやっぱり写真をやりたかったと思っても、それこそ遅すぎる」。
1983年、キヨコさんは写真を勉強するため、ニューヨーク州立ファッション工科大(FIT)に進学することを決意した。
  卒業後2年間はアシスタントとして働いた。だが月曜日から金曜日まで一日中働いても収入は週200?250ドル。ギリギリの生活だ。
  「ハタチの若さならまだしも、私はすでに30歳を過ぎている。いつまでもこんなことはしていられない」と一日も早い独立を誓う。
87年に映像カメラマンである夫とキロスタジオを設立した。写真に関する仕事は何でも引き受けた。そのなかにウエディング撮影があった。10年程前から日本人の海外ウエディングが急増し、これに伴ってウエディング撮影の注文も増えていった。やがて教会選びやメイクなど、ウエディング全般のコンサルタントも依頼されるようになる。実績を重ね、今では年間40?50組の日本人カップルの挙式を手掛ける主力ビジネスに成長した。

ニューヨークは夢を持った人が世界中から集まる「夢の激戦区」

 人からよく「好きなことやってお金もらってうらやましいですね」と言われる。キヨコさん自身、「本当にそのとおりだと思う」。キヨコさんの日本の友人にも夢を持っている人は少なくない。でも「家族があったりしてなかなか飛び出せないのが現実」だ。飛び出したところで、夢が実現するほど世の中は甘くない。
  とくにニューヨークは世界中から人が集まる「夢の激戦区」。挫折の材料はあちこちに転がっている。キヨコさんの幸せも、様々な戦いを経てつかんだ戦果なのだ。
  大学では寮に入れてもらえなかった。「年をとっているので、自分で生活することを求められた」。生計を立てるため、勉強の傍ら通訳やガイド、ウエイトレスの仕事に励んだ。
  1991年の湾岸戦争の時には観光客が激減し、ガイドの仕事がなくなった。夢を諦めて普通に就職しようと、ホテルや銀行などを面接して回ったこともある。あの時就職が決まっていたなら、人生はまた違ったものになっていただろうと彼女はふり返る。ニューヨークのツアーガイドのライセンスは今も毎年更新し、あの頃の気持ちを忘れないようにしている。
  一昨年のテロ以降は、日本からのウエディング需要が減った。戦争がはじまった今となっては当面、需要の戻りは期待できないだろう。在米の日本人やアメリカ人カップルにターゲットを切り替えることでビジネスを維持している。キヨコさんは言う。
  「30歳は青春期から本当の大人への境目。結婚や仕事などで自分の心に“?”が浮かんだら考えたほうがいい。悔いのないように一歩を踏み出すか、それとも現実を受け入れてこのままの生活を続けていくか。どっちであれ一度、自分の心ときちんと向き合わないと、日々の忙しさに流されてあっという年月は過ぎてしまうから」。
  キヨコさんはこれからも、写真展の開催など自分の夢に向かって突き進んでいく。

 

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