加藤恵子  (弁護士)
専門:ニューヨーク州弁護士
年齢:n/a
出身地: 東京都江戸川区出身。
在米暦:19年

85年渡米。コロンビア大学大学院教育人類学修士号取得。同大学院卒業後、日本に戻り通産省外郭団体「MIPRO」に就職。92年に再度、渡米。シュラキュース大学ロースクールJD(法律博士号)取得。95年よりNYの弁護士事務所に勤務。2002年3月に独立し、「加藤恵子法律事務所」をニューヨーク市に開設。移民法、会社法、著作権法、契約などを専門とする。日米でアメリカの法律に関する執筆、講演会多数。99年法政大学で「女性とアメリカの法律」に関する講義も行なう。趣味はワインと映画・観劇。

仕事を通じて法律に興味を持つようになった


日本女子大を卒業後、コロンビア大学大学院に留学した。「文化の違いに興味があった」ことから文化人類学を専攻。87年に帰国し、財団法人製品輸入促進協会に就職する。業務部に所属し、渉外業務にあたった。
  欧州のカタログ協会と共同で日欧のカタログ事情などを調査する契約書を作成しながら思った。「もっときちんと法律について勉強したい」。各国の法律は、その国の文化に根付いている。そんな点にも興味があった。92年に渡米し、シラキュース大学ロースクールに留学する。
  日本では子供の頃から弁護士を志した人が大学の法学部に進学し、司法試験を受けるのが一般的。ところが加藤さんは「子供の頃に弁護士を夢見たことなど一度もなかった」。むしろ作家や女優にあこがれていた。実際に働くようになり、特許や知的財産などの難しい問題に直面して初めて法律に興味を持ったのだ。
  またアメリカで弁護士を目指す日本人は、すでに日本で弁護士資格を持っている人や、企業から派遣された人が多い。法学部を卒業していれば1年間ロースクールに通うだけで受験資格を得られるが、加藤さんのような場合はアメリカ人の学生と同じように3年間ロースクールで勉強しなければならない。しかも加藤さんには、アメリカ人なら誰でも知っているようなアメリカの法律に関する常識もなかった。ゼロどころかマイナスからのスタートだったのだ。当然のことながら、次々と困難が立ちはだかった。
  留学するにはLSATという試験を受けなければならない。ところが最初の試験の前日は緊張のあまり眠れず、当日もまともに試験を受けられるような状態ではなかった。途中で退席し、再受験を余儀なくされる。

エスカレータ?式の女子校に通ったお嬢様が、30歳目前、アメリカの弁護士を志した。留学経験はあったものの、法律に関する知識はほぼ皆無。マイナスからのスタート、しかし数々の困難を乗り越えて弁護士資格をついに手にする。昨年3月に独立した加藤恵子弁護士は私たちに教えてくれる。「夢を叶えるのに遅すぎることはない」と。

 ロースクールに入学したものの、最初の授業で教授にあてられた時には何もわからずただ黙って立ち尽くした。後に教授から「わからないときはわからないと表現しなさい。黙っているのは授業に対して関心がないという意思表示に映り、教師に対しても失礼なことだ」と教えられた。

 懸命に勉強して3年後にロースクールを卒業、NYの法律事務所に勤務する。ところが、昨年3月、同事務所から突然解雇を言い渡された。出張から帰った翌日のことだ。顧客の仕事もあるし連絡もある。事務所スタッフがいなくなる深夜と休日に出勤して仕事をこなした。これを機会に独立しようと意思を固めたものの、オフィスとして借りた物件は管理不動産会社の倒産で入居後1ヵ月半でに立ち退きを言い渡される。「踏んだりけったりとはこのことで、さすがに涙が出た」と振り返る。
  幸いこれまでの顧客が加藤さんから離れなかったため、6月に現在の事務所に移ってから順調に業務をこなしている。移民法や会社法、芸術に関する法律を専門とし、主にアメリカで活躍したいと希望する日本人をサポートしている。他の弁護士に比べるとスタートは明らかに遅い。無駄な時間を過ごしてしまったと悲観したこともあったが「いろいろ違う仕事をしていたから様々な人の仕事や悩みを理解できる。経験してきたことは無駄ではなく、物凄いメリットだ」と先輩弁護士に言われ、勇気付けられた。実際、加藤さんのもとには人生に迷う女性からの相談ごとが数多く寄せられる。加藤さんはそういう人たちを同じ目線で話をするように心がけている。
  松井選手のヤンキース入団交渉に尽力したジーン・アフターマン球団副社長も30歳を過ぎてから弁護士になった元美術教師と聞いた。アメリカはいくつになっても夢を実現するチャンスを与えてくれる場所だ。道のりは決して平坦ではないが、夢に年齢制限はない。「自分と同じようにみんなにも夢を持って欲しいし、アメリカでその夢を実現して欲しい」と加藤さん。夢をもつ人たちのサポートをするのが加藤さんの仕事であり、羽ばたいていく彼らを見届けることが、今の加藤さんの夢でもある。

 

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