森 祐治  (マッキンゼー&カンパニー・ビジネス・コンサルタント)

「ポジションがなければ、 創ればいい」

マッキンゼー&カンパニー東京支社
ビジネス・コンサルタント

森 祐治さん

「約束が違う」と言ってNTTを退社。その後、アメリカ留学でコミュニケーションとビジネスを学び、日本での就職を考えた時、日本にはまだ自分のやりたいポジションが存在しないことに気がついた。「自分で創るしかない!」森さんはフロンティアとして、新規開拓ビジネスの育成や情報基盤作りに力を注いでいる。

自分を信じて研究を続ける

森さんが留学を考えたのは、NTTに就職して1年目のこと。「採用の時に心理学やコミュニケーションの研究職に就くことが条件だったのに、1年も経たないうちに状況が変わり、そのプロジェクトが無くなってしまいました」
やりたいことが出来ないなら辞めるしかない、と退社。森さんは母校の大学院に戻った。「学部の時の成績はイマイチだったし、留学するためにも成績を上げ、経験を積むことを考えました」という森さんは、大学院での研究活動と共に教壇にも立ち、助手として教授も経験した。
大学院修了という学歴と教授経験により、留学のための奨学金も獲得。これまで研究してきたコミュニケーションや心理学とビジネスを勉強するため、留学先は、通 信分野に強いMBAプログラムを持つ、CA州サンフランシスコのゴールデンゲート大学を選択。在学中には通 信法や規制について、州法や連邦法など、アメリカ人でも詳しい人が少ないような分野でのリサーチレポートに苦労したという。
森さんはその後、さらに技術的なコミュニケーションについて研究するため、博士課程(Ph.D)への進学を決意。NY州ニューヨーク大学のPh.Dプログラムに転校した。

インターネットの登場で会社設立

森さんがPh.Dプログラムを始めたちょうどその頃、インターネットが一般 に知れ渡る存在になった。これまで、既存の通信インフラとビジネスを専門に勉強し、コミュニケーションツールとしてのコンピュータネットワークの知識も豊富だった森さんは、インターネットが新しいビジネスツールになるに違いないと直感。在学中にインターネットベンチャー企業を立ち上げた。「日本の大手企業のバックアップもあり比較的簡単に作れたんですが、当時、インターネットの実用性を広く一般 に理解してもらうことはとても困難でした」
そんな状況の中、森さんの作った会社は1年後に別の会社に買収されることになり、家庭の事情もあって日本への帰国を決意し、就職準備を始めた。

マイクロソフト社へのUターン就職

「仕事探しで最も大切なことは、人との繋がりでしょう。自分の能力を理解してもらい、自分と一緒に仕事をしたいと思ってもらえるような人と、如何にうまく付き合えるかが大切です。僕の場合は、それがマイクロソフト社の古川会長だったのです」
森さんはNYと日本で面接を受け、見事にマイクロソフト社へのUターン就職を果 たした。マイクロソフトでのポジションは基盤戦略室。基本的には米国本社の管轄下にあり、日本での新規事業戦略を企画立案する部署だった。この仕事で一番苦労したのが、「日本独特の文化的背景や社会的な慣習などを、米国の上司に説明すること」だったという。

既存のポジションに就くより、ポジションを創り出す方が面 白い

「仕事には2種類あると思います。1つは、すでにある仕事のレベルを上げる仕事。つまり、生産性や普及率が60%のものを、どうすれば70%や80%になるか努力するタイプの仕事。もう1つは、フロンティアとなって新しい仕事を創り出す仕事。私の場合は、偶然マイクロソフトでその2つのタイプの仕事を同時にすることになったのですが、後者の方が自分には合っていると思います。就職というと自分に合った仕事を探すというイメージが強いですが、本当に力があれば、自分に仕事を合わせたり、今まで存在しなかった仕事やポジションを創ることだってできるはずです」
外資系企業で働くコツは、その会社の「外資系度」を知ること

「一概に外資系と言っても会社やポジションによって日本的だったり、アメリカ的だったりすることが多いですね。例えばマイクロソフトでも、開発部隊はアメリカ思考ですが、営業部隊は完全に日本的です。だからUターン就職をする場合は、その会社や自分の目指す部署の『外資系度』みたいなものを把握するといいでしょう。外資系でありながら日本企業的な会社も多いので、そこに就職する場合は、あまり留学経験とか海外でのキャリアとかを意識しない方が楽だと思います」
留学、Uターン就職、そしてキャリアアップ転職へ

マイクロソフト社での2年の経験を経て、森さんは昨年9月、より広範的な活動の場所を求めて、世界的な経営コンサルティング会社であるマッキンゼー&カンパニー東京支社に転職した。マッキンゼーでも、インターネット関連のビジネスモデルの企画開発やコンサルティングに携わっている。森さんは、これからも新しい発想で、日本のインターネット市場を活性化していくに違いない。

 

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