| 名アメ★ドリ独占インタビュー
作家:田口ランディ
知らないことを書いていく。そうすると何かが解っていく。「書く」という行為の中に『道』がある
小説 “Outlet ”(邦題:コンセント)の著者田口ランディさんがニューヨークを訪れた。1週間の滞在で講演会、朗読会などをこなすハードスケジュールの中、本紙独占インタビューに応じてくれた。
――ニューヨークは初めてと聞きましたが、滞在されてみていかがですか?
田口ランディ(以下、ラ)大人の街ですね。落着いている印象があります。着物を着て歩いていても、ジロジロ見られません。ハンディキャップの人への配慮もある住み
やすい街ですね。
――コンセントが英訳されると聞いた時の感想は?
ラ:コンセントは2000年6月に出版された処女作なんですよ。作家歴が短いのに、翻訳されるなんてラッキーだと思いました。既に(コンセントは)中国語、韓国語で出版されていて、それらの国ではエッセイも翻訳されています。
――“Outlet ”のレビューで「ニューエイジとミステリー」と称されているようですが、このことについてはどう思われますか?
ラ:精神世界の話が結構出てくるので、しょうがないと思います。
――“Outlet ”には亡霊の話が出てきますが、ランディさんもそういう経験はされるのですか?
ラ:俗に言う霊感っていうのは全くないです。幽霊とかも見たことありません。ただ、
友人にはそういう人が多いですね。
――チャネリングに興味があるようですが、ランディさんは「書く」ことでチャネリングしているのでは?
ラ:そうですね。自分が知らないことを「書く」わけですからね。ライアル・ワトソンの本が初めて日本語に翻訳された時に、彼独自のニューサイエンスやニューエイジの世界に惹かれました。もともと私は自然科学に非常に興味がありましたので、科学から自然の神秘にアプローチしていく彼の方法論は、既存のニューエイジの世界より面白かったです。精神世界には自分の中に距離があり、科学と精神性と芸術性が一つ
になったようなところに凄く憧れます。自分が知らない事は、書きながら解っていくんです。そして「書く」という行為の中に『道』があるんだと思います。
――今回の出版の経緯は?
ラ:アメリカでは作家を生業としていけるのは、ほんの一握りだそうです。大半は、掛け持ちをして生活しているそうです。本を出版することは、作家にとって戦場なわけですよね。だから海外翻訳の作家に限られた本棚のスペースを奪われていくことは、彼等にとって死活問題なんですよね。私がアメリカ人作家だったら「来るんじゃねぇ
〜」っていう気持ちになるだろうなと思います。作家が地方の大学を沢山レクチャー しながら回ると聞いた時は、「演歌歌手の地道なドサ回りと同じだ」と信じられませんでした。アメリカで作家になることは、日本で芸能人になるような敷居の高さだなぁと思って、ビックリしています。
――アメリカの大学で講演した感想は?
ラ:アメリカ人がセックスに関してもの凄く保守的だということにビックリしました。“Outlet ”での主人公の性描写はカジュアルに書いたつもりはなかったのですが、講演中に「セックスに対して、イージーでカジュアルすぎないか?」といった質問を受けました。私の中のアメリカ人は、人前で平然とキスしたりするなど日本人よりオープンだという感覚がありました。でも、それはキスだけで、ことセックスに関しては、大変敏感だということに気がついてカルチャー・ショックを受けました。
――ニューヨークへ来て着物を着るために黒髪にしたと聞きました。
ラ:凄く赤かったので、黒い髪にしてよかったです。やっぱり着物は黒い髪が合うと思います。
――ニューヨークへまた来たいと思いますか?
ラ:この街には是非また来たいと思っています。
(川上春奈)
【田口ランディ】
作家。ネット上のエッセイが話題となり小説「コンセント」(幻冬舎)で作家デビュー。ネット時代の先駆者的存在。主な著書に「アンテナ」「富士山」「忘れないよ!ヴェトナム」「モザイク」「できればムカつかずに生きたい」等がある。03年にVertical 社より「コンセント」英訳版 “Outlet ”出版。
www.randy.jp
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